北国街道・新井宿（新潟県妙高市）～江戸・ぼくの上洛日記その２

１４代将軍 徳川家茂に供奉し上洛した際の高田藩士の道中記で、当ブログでは、「ぼくの上洛日記」としています。

　　

家茂が上洛するにあたり、徳川四天王である榊原家が御先登を勤めることになりました。

　　

　　　　

これは、榊原政敬に従い上洛したある高田藩士が書いた上洛日記です。

　　

　　

日記は、文久３年１２月に京に行くことになったところからはじまり、元治元年７月に高田（現 新潟県上越市）に帰って来るまでのことが書かれています。

虫食いや折り目などで判読できない文字は？となっています

　　

訳に関しては、間違っている箇所を訂正、修正したりする場合があります

　　

時間に関しては江戸時代の時刻換算サイトを使用（不定時法）しています

戌の上刻（午後６時頃）に荒井宿（新井宿）奈良屋方に宿泊した

九ツ時過ぎ（２３時３０分くらい）までに皆が揃った。

そのときの組合の割り当ては ↓ の通り

　　　　　

物頭　　

神岡市右衛門

高橋定治

牧野保之助

中川源兵衛

久米儀太郎

森？八五郎

山下藤市

星田三郎兵衛

酒井富蔵

小林作太郎

小島留蔵

米村武平治

石倉利喜蔵

森山源次郎

滝野岩次郎

村井逸八郎

赤井宇太吉

川合半蔵

赤井定八郎

〆１９人

　　　　

一、５４人のうち、物主三人、葭井郡司、神岡市右衛門、島田助三郎

↑　一番、二番、三番　高田一番何十人組　右 ↑ の順 で三番まで宿札を掛けた

一、＊金五両三朱と三百三十五文　（現在の価値で５２万３７７５円）

右　↑ 　＊御宛飼荒井宿金子屋宅（奈良屋）で宿泊しているあいだに受け取った。

同（１２月）６日　大風雪だった。　牟礼宿 和泉屋孫兵衛方へ泊った。里数十里余り。

同（１２月）７日　雪風だった。逆木宿 平林与惣左衛門方へ泊った。里数十里半（４２ｋｍ）

一、金一歩也（２万５千円）

右 ↑ は宿泊のとき、勘定違いがあったので市右衛門より受け取った。

同（１２月）８日　天気　追分宿 鶴屋佐兵衛方へ泊り　里数十一里半（４６ｋｍ）

つるや旅館

　　

江戸時代初期、中山道の休泊茶屋として創業。大正時代には、芥川龍之介・室生犀星・堀辰雄ら多くの文人が執筆を行った宿として知られています。

同（１２月）９日　天気　高崎宿 大黒屋某方へ宿泊　里数十二里半（５０ｋｍ）

同（１２月）１０日　右 ↑ 同断　（天気）　熊谷宿 布施田屋方に宿泊　里数十里半六丁（４２．７ｋｍ）

同（１２月）１１日　同断　（天気）蕨宿 三度屋方泊り　里数十弐里（４８ｋｍ）

同（１２月）１２日　朝五ツ時過（朝８時ころ）江戸上屋敷長嶋御殿へ着いた。

同（１２月）１３日　快晴　朝五ツ時（朝 ７時５０分頃）より中屋敷へ参り、そのほか所々見物した。

同（１２月）１４日 九ツ時より（午前１１時３０分くらい）両国橋を通り浅草観世音堂を参詣した。

一、　金三両也（３０万円）

　　

右 ↑ は御宛飼（旅費・経費）道中旅籠皆ことごとく受け取った。

　　　

同（１２月）１５日雪が少々降った。江戸表を出立