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平安時代の女性で絶世の美女であったといわれている女性です。また、歌人として有名で*六歌仙としても知られています。
六歌仙の中の一人なのね
平安前期の女流歌人として有名だよ
*六歌仙とは 平安時代を代表する優れた6人の歌人のこと 僧正遍昭・在原業平・小野小町・文屋康秀・大伴黒主・喜撰法師のこと
紀貫之が小野小町のことを古(いにしえ)の衣通姫(絶世の美女とされていた)の流れなり と評したことにより、小野小町は衣通姫と同様に絶世の美女といわれるようになったといわれているよ
実際は、紀貫之は小野小町の歌を評したのですが、いつの間にか容姿のこととされたらしく、小野小町が絶世の美女であるという噂が広まったとのことです。しかし本当に美人だったらしく、多くの男性から興味を持たれていたようです。
小野小町の父親は小野良真、また小野篁の孫であるともいわれておりますが 確かなことは不明となっています。小野小町の生誕地とされているところが全国各地にあり、様々な伝説がある女性であることも魅力の一つとなっています。
花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに
という百人一首にも選ばれている和歌が有名です。
もの思いにふけてしまっている間に美しい花が咲きほこる時期が過ぎてしまった・・・
自分を花にたとえている歌だよね~
たぶん何歳になっても綺麗だよ~
また、古今和歌集にある恋の歌も有名です。
思ひつつ 寝ればや人の 見えつらむ 夢と知りせば 覚めざらましを
という恋の歌
あの方のことを思いながら眠ったので夢に出てきたのでしょうか。もし夢だと知っていたら目を覚ましませんでしたのに・・
うっとり・・・
平安時代の恋愛は 美しい女性の噂を聞いたり、女性の姿を垣間見たりすることで相手に興味を抱き、男性から手紙を出します。そこから手紙を送って自己紹介をするといったルールがありました。
しかし初めて手紙を送る場合は返事が返ってきません。何回も送ってやっと返事が返ってくるという具合で(そういった暗黙のルール)、中には何十回も送っているのに返事が来ないという場合もありました。この場合は脈なしということになります。
深草少将は小野小町に興味を抱いて手紙を送り続けますが、全然返事が返ってきませんでした。脈なしというところなのでしょうが、深草少将は小野小町の家まで牛車で行ってしまうのです。
しかしやっぱり、小野小町は深草少将に興味がなかったのか、戸を開けません。しかも深草少将は牛車に乗って小町の家に行っていたので、目立ってしまいました。
そこで小町は「わたしのもとに百夜通ったら、あなたに従います」という条件を出しました。普通に考えれば、やんわりとお断りをしたということだと思うのですが、深草少将は京都伏見から小町のいる山科へ毎日通い続けたのでした。
小町はまた、やんわりと深草少将に牛車で来られると目立ってしまい恥ずかしいので やめてくださいといった具合に断り続けたのですが深草少将は歩いて通うことにしたのです。そして自分が確かに通って来ていますという証拠に榧(かや)の実を一つづつ置いて帰っていきました。
伏見から山科までは約6kmでしょ~? しかも暗い道を往復12kmはすごいよね。
いろいろな意味ですごい人だとおもう・・・・
・・・
その後三十夜、五十夜と続き榧の実もどんどん増えていきました。小町もだんだんと少将の人柄にほだされていきます。そして九十九夜になったときに小町は「明日の夜はこの戸を開けます」といいました。
しかし百日目の夜、少将は突然亡くなってしまいました。大雨によって渡っていた橋ごと流されてしまったとも 疲労のために行き倒れたともいわれています。そしてそのとき少将の手には榧の実が握られていたのでした。
なんて切ないお話なんだろう
この話は謡曲「通小町」に描かれたものですが、二人の悲恋とする一方で、小野小町があまりにも薄情だと語り継がれているものもあります。
少将というのは説話上の人物でモデルがいたとも いわれていて詳しくは分かっていません。
しかし小町が住んでいた随心院には大きな榧の木があるそうです。
文屋康秀は平安時代の歌人とされ、六歌仙の中の一人で文琳ともいわれています。
吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山嵐を あらしといふらむ
(小倉百人一首 22番 文屋康秀)
山からの風が吹くとたちまち秋の草木がしおれてしまいますね なるほど荒々しいので山風を嵐(山+風)というのですね・・・
小野小町と文屋康秀は親密であったといわれていて、文屋康秀が三河国に赴任する際に小野小町を誘ったという逸話があります。
それに対して 小野小町の返歌が
わびぬれば 身を浮き草の 根を絶えて 誘ふ水あらば いなむとぞおもふ
辛い思いをして根もない草のような身ですから誘ってくださる水(三河国にかけている)があるならそちらに行こうと思います・・・・
絶世の美女を誘うのもすごい
小野小町は一緒に行ったのかしら・・・?
どうなんだろうね・・・・・・?
実際に小野小町は文屋康秀と三河国に赴いたかどうかは不明ですが、面白い歌を送り合う間柄だったのではないでしょうか。
この返歌からは小野小町の親しみやすさや面白さが感じられます。薄情な女性という印象は受けないのですが皆さまはどのように思われましたか?
以上 小野小町編でした